アバハウス meets スタイリスト池田尚輝 SPECIAL INTERVIEW VOL.3

引き続き今季のトレンドキーワードの一つであるスポーツミックス。
ナイロンパーカを取り入れたり、
アクティブなスニーカーを合わせたりというのももちろん良いですが、
できればワンランク上の、もっと洗練されたスポーツミックススタイルを狙いたい。
そこでぜひ知ってもらいたいのが、アバハウスの圧着シリーズです。

縫い目を持たず、圧着という技法で形成されるアイテムは、
ルックスがミニマルで先進的。
より都会的に洗練されたスタイルを演出するアイテムなのです。

機能という側面からもファッションを的確に捉え、
新しいスタイルを提案する池田さんはこの圧着シリーズをどう見るのか?
アイテムのデザインと、スタイリングの可能性について
アバハウスディレクターの辻と語り合っていただきました。

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_まずこの “圧着シリーズ” とは具体的にどういうものなのか、教えてもらえますか?


簡単にいうと、糸で縫う代わりに圧着という特殊な技法で生地をつないで服を構築したアイテムのことです。スポーツウエアが持っている独自の技術を
ファッションに取り入れてみたいと思ったのが、このシリーズが生まれたきっかけですね。あとは、モード感を表現したかったというのもあります。

_モード感?


はい。縫い目のない服は見栄えがとてもミニマルですよね。そこにモード感が生まれるんです。機能とルックス。その2つの視点から完成した小さな
コレクションがこの圧着シリーズなんです。

池田
たしかにすごくミニマルですよね。ステッチって結構存在感があるんだなって改めて思います。

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_確かに。それにしても、スポーツミックスは比較的長いトレンドですね。

池田
そうですね。ロゴが消えたり、モノトーンになったり、あるいはまたカラフルになったりと、押しては引きを繰り返しながらここまで来ています。でも、
僕としてはそろそろ違う局面になってきているなという実感がありますね。トレンドというよりもはや定番のひと枠という感じで。

_定番化していると。

池田
なんていうか、以前のそれに比べて楽しみ方が広がってきたなっていう実感があるんです。例えばテック系のウエアにナイキやアディタスのスニーカーを
合わせるのももちろん格好いいけれど、違うスタイリングの可能性も感じている。…なんていうのかな、例えば“デニムにトレンチ”じゃないけど、“圧着と
コットン”みたいな感じ(笑)? そういった、これまでとは違うベクトルのスタイルにも挑戦してみたい感じがするんですよね。“スポーツミックス!”って
いう特別なカテゴリーとして扱うのではなく、さらっとリアルな中に落とし込むっていうのを考えるのが最近は面白い。


ビジネスシーンでも着られるとか、クリエーターズスーツにいいといった考え方だけじゃなく、もっと日常の中で新しい可能性がある。確かにそうですね。
すごくハイブリッドな考え方で面白いと思います。

池田
言うなれば、ラフ・シモンズが手がけるカルバン・クライン的なイメージ?。例えば圧着シリーズのステンカラーコートから、赤い文字で『HARVARD』
とか書いてある霜降りグレーのカレッジスウェットがのぞいてたら、ちょっと洒落てるなって思う。そういうハイブリッド感って少し前のテック系トレンド
にはなかった。今はそういう考え方の方が格好いいんじゃないかなっていう気がします。

_ちなみにデザイン面に関しては、どのような考え方があったのですか?


あまりディテールを盛り込みすぎるとスポーツ感が強くなり過ぎてしまうので、基本的にはベーシックを意識してデザインしています。アバハウスらしい
毎日着られるデザインというのが一番のポイントです。

池田
ステッチがないっていうことも個性だけど、実はデザインもしっかりされている。これ、衿も少し大きいですよね?


はい、ちょっと大きく作っています。全体的にシルエットもちょっとゆったりとさせていますね。

池田
うん、そうやって落とし所もちゃんと計算されているのも大事。僕がイメージするスタイリングにも使いやすそうです。

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僕自身気に入っているのがこのコートです。背中心の合わせも含めて糸を全く使っていません。従来ステッチが入っていた部分がフラットになることで、
ブランケットじゃないですけど、着心地を邪魔しないから着やすい。ポケットは大きくてもステッチがないから無駄に主張しない。また伸縮性も高くて
シワにもならないし撥水性も備えていると、かなり機能的です。ちなみにフロントはボタン仕様なのですが、ボタンにゴム素材を使っているのもポイント
ですね。

池田
うん、すごくお洒落だと思います。いろんな面で絶妙ですよね。ぱっと見ミニマルでわかりづらいぐらいなんだけど、きちんとこだわりが感じられると
いうか。そもそもこういったテック系のコートでフロントがボタンっていうのが無いですからね(笑)。その絶妙なアンバランスさが面白い。


ハイテクな技術を使っていますが、あまりスポーツっぽくなりすぎてもっていうところがあったんです。やっぱりオーセンティックなエッセンスがどこか
に香る感じがいいかなと。こうすることでオン・オフをまたいで使えるメリットも出ますので。

池田
こういうところも、ファッションブランドが提案するスポーツミックスの面白さですよね。だから、さっき僕が言った遊びのコーディネートも受け入れ
やすくなってるんじゃないかな。

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コートと同じ素材のジャケットとパンツもありますが、ジャケットはモダンさを強調したいのでラペルは細くしています。オンスタイルやクリエーターズ
スーツに対応できるイメージですね。

池田
ゴルフとかテニスとか、品が求められるレジャーにも良さそうですね。こういうの着てたらすごく格好いいと思う。


縦にも横にも伸びるマルチストレッチ素材で、撥水性も高い。確かにそういうシーンにもいいですね。ポーチも付いていて持ち歩けるので、旅にも
おすすめです。


それとカットソー。これに関してはネックがポイントですね。ステッチがないからすごくシャープに見える。

池田
多分、これ着たら痩せて見えますね。 顎のラインをすごくシャープに見せてくれると思います。


普段着ているカットソーと比べてかなり印象が全然違うと思いますね。

_色や柄やシルエットだけでなく、ステッチの仕様は結構重要なんですね。シンプルなアイテムが好まれる昨今、特にこの違いは大きいのでは?

池田
そうだと思います。例えばチノパンにスニーカーにボーダーTシャツというのはよくあるトラッドスタイルですが、それがこの圧着シリーズのボーダーT
だったら、急にApple Watchが似合う人になる(笑)。こういうことがあるから面白いですよね。

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_そして、意外とこういうカットソーって探すとないですよね。

池田
ないですね、確かに。ちなみに今後さらにアイテムの幅を広げる予定はあるんですか?


そうですね。さらにスケールの大きなコレクションに育てたいとは思っています。まだ実現するかはわかりませんが、ツイード素材で圧着というのも
挑戦したいと思っているんです。あとはダウンアウターも圧着で進化できそうですし…。

池田
のちに『2010年代といえばこれ』みたいなジャンルの服になる可能性はありますよね。そのくらい、今の時代感を反映した面白いアイテムだと思います。

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