ABAHOUSE、5351POUR LES HOMMES、DESIGNWORKS それぞれのディレクターに今シーズンのポイントを語ってもらい、イチオシの春コーディネートを提案してもらいました。トレンドに流され過ぎない、個性の光る各ブランドのスタイリングをヒントに、春のファッションを楽しんでみてはいかがでしょうか。
大阪府出身。2005年よりABAHOUSE商品部でのバイヤー/MD経験を経て、2013年に5351、2016年にMYSELF ABAHOUSEの運営にも携わった、メンズブランドに精通したスペシャリスト。現在はABAHOUSE事業部へ戻り、ブランド運営の中核を担っている。
ABAHOUSEは今シーズンでブランド発足40周年を迎えるので、40年前に流行っていた「ジャパニーズプレッピー」に注目しました。上品さや育ちの良さを感じる「優等生スタイル」をベースに、得意とする表面感のある素材使いや、異素材コンビ、トレンドのシアー感を融合させ、ABAHOUSEらしい新たなプレッピースタイルを提案していきます。
プレッピーの王道「チルデンベスト」をオーガニックな色合いのワイドパンツで合わせ、抜け感のある都会的な印象にまとめました。ベストはきれいなケーブルの編地と太めの衿ラインの配色が効いていて、一気に優等生感を出してくれますね。トップスのネイビー×グリーンの発色の良い色同士の合わせは、清潔感がありながらも映えるのでおすすめです。
レトロな雰囲気のハーフジップのトップスは、シアー感のあるカーディガンとモノトーンに合わせてモードに着こなしたい気分です。アクセントで入れたクロシェットも、無機質な感じがして良いですよね。カーデの幾何学柄もちらちらと見えて涼し気です。足元は革靴ではなく、ハイカットスニーカーでほんの少しスポーティーなエッセンスをプラスしました。
80年代のムードたっぷりの花柄シャツは古臭く見えないように、艶と落ち感のあるレーヨンで仕立てて、上質に見えるように気を付けたアイテム。嫌らしくなく大人の色気が出る、バランスの取れたシャツだと思います。今回はすっきりとしたシルエットの定番テーパードパンツと合わせて、柄シャツのいなたい雰囲気を優等生風に着こなしました。
福岡県出身。2000年にチーフデザイナー就任以降、長年にわたり5351のデザイン・ディレックションを手がけ、同ブランドの礎を築いた。2024年にレザーのみで構成される新ブランドcinqnoir(サンクノワール)を立ち上げる。
2024S/Sのシーズンテーマは「”dig it” 物事を掘り下げる・掘り起こす」。1970~90年代からインスピレーションを得て、様々なカルチャーをリバイバルさせたアイテムが多数登場します。古き良き服を現代の服に再構築させて『今』の5351POUR LES HOMMESを表現しています。
ワッシャーやジャガードといった本来あるべき素材にひと手間加える、ブランドらしい要素が詰まったセットアップコーデです。オールブラックから垣間見えるそれぞれの素材感が一層際立ち、ストイックでドレッシーな印象になりますね。Vネックやくるぶしを見せてあげる事で春らしい抜け感を意識しました。
この春注目カラーのグレーデニムをベースに春らしい爽やかさをイメージしてコーディネートを組みました。差し色やブラックを入れること無く、グラデーションを意識したホワイトコーデは上品な見た目でこの春、挑戦して欲しい組み合わせですね。ロング丈のカーディガンは、コーディネートにメリハリをつけやすいので一着あると重宝しますよ。
60年代のヒッピーブームで人気を博したフレアパンツを現代のスタイリングに取り入れるだけで、着こなしのシルエットが新鮮な印象になりますね。足元に向かってすらっと伸びるフレアシルエットは、スタイルUP効果も期待できます。トップスにはニット素材のブルゾンを合わせ、5351らしいきれい目な要素もきちんとプラスしています。
2003年にDESIGNWORKS六本木店にて販売スタッフとして入社後、現在に至るまでDESIGNWORKS一筋で、販売マネージャー・バイヤーのキャリアを経て、2020年よりブランドのディレクションを手掛ける。
本格的なコロナの終焉と共に新生活様式へのマインドが高まるなか再度原点へ立ち返り、リネンやコットン、サマーウールなど春夏ならではの天然素材にフィーチャーしたシーズンとなります。トラディショナルなアイテムと、上質素材で組み合わせたスタイルで着る人を引き立てるご提案をお楽しみ下さい。
ジャケット代わりに軽やかに羽織れ、同時にこなれ感を演出できるニットライダースがこの春おすすめです。色数を絞る事で他のアイテムと馴染みやすく、コーディネートの統一感を高めやすいでので柄物初心者の方も是非、挑戦して欲しいですね。王道のデニムコーデもどこか新鮮で上品に纏まって見えると思います。
ウールの上品な光沢感のある見た目ながら、スポーツウェアのような伸縮性を効かせた軽やかなジャケットは素材、着心地共にシーズンらしい一着です。インナーの差し色も秋冬から継続の提案で、視覚的にどこかにポイントをもっていくのが気分ですね。ストライプパンツは主役にも脇役にもなれる汎用性の高い一本ですので、シーズンに一着は持っていて欲しいマストバイアイテムです。